愛と哀





彼の唇に、そっとキスをした。



夕麻くんの死体を抱えて、寝室に移動した。


ベットの上に寝かせて、布団を被せてあげた。





「安らかにね……」



あ、服に血が付いてる。

彼の血が。




何故だか、今までの日々が幻だったみたいに感じる。



愛してくれた人を殺した事さえも、幻だったように感じてしまう。





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