愛と哀
あれは、そんな深い意味でしたわけじゃない。
「嫌がらせをされる辛さ……わかるから、だから声をかけただけ」
多分、同情したんだと思う。
私が優しい人間だからってわけじゃない。
「それでも嬉しかったから。些細な優しさでも、かなり救われた。ありがと」
「……っ」
一瞬、ドキッとした。
慣れないシチュエーションのせいかな?
「些細な優しさに触れて、思ったんだ。七乃の事、そばで守りたいなって。絶対に仲良くなるって決めたんだよ」
ちょっと、やめてよ……。
そんな事言われたら、もっとドキドキする。