愛と哀
唐突なお誘い
彼が私の家に来た日から早数日。
あれから特に変わった事もなく、彼がうちに来たいという事もなかった。
そして母が私に冷たいのも相変わらず。
「七乃、今日はキミに大事な話がある」
放課後。
彼の家にお邪魔して一緒に宿題をしてる時の事だった。
急に彼はシャーペンを置いて、私を真剣な眼差しで見つめた。
「ど、どうしたの……?」
「七乃」
彼は両手で私の机の上に置かれた左手を握った。
そして……。
「これからは一緒に暮らそう。ここに住みなよ」
衝撃的な事をサラリと口にした。