愛と哀
「やっぱ、寂しい?こんな広い家に1人って……」
「別に。あの女がいなくて清々する」
サラッと答える彼は、平然としてた。
恐らく、母親を本気で鬱陶しいと思っているんだろう。
私だって現に……。
お母さんの事を鬱陶しいと思う事くらい……。
「で、どうかな?うちに住めば、毎日平和に暮らせるよ?暴力は振るわれない、のんびりと笑って暮らせる。こんな良い条件はないと思うな」
確かにそう思う……。
彼は優しい。
私にとっても優しくしてくれる。