愛と哀
「七乃」
彼は私の名前を呼び、手を差し出した。
「改めて、これからよろしく。仲良く、楽しく暮らそうな」
「……」
「何も不自由はさせない。七乃の我儘なら、どんな事でも聞くから」
差し出された手を握らず、戸惑っていると、痺れを切らしたのか春田くんは強引に私の手をとって握った。
こうしてスタートした私達の同居生活。
果たして、楽しい未来が待っているのか、もしくは……。
これからどんな生活になるのか、全く予測できなかった。