愛と哀
新しい生活
私の生活は以前とは一変した。
彼は私を居候させてくれただけでなく、携帯まで買ってくれた。
もらえない、と言ったのだが、
「物騒だから、絶対に持っておいた方がいいよ!!」
と言って聞かなかった。
無断で家を出て、母親が何か言ってくるかなって思ったけど。
特に何もない。
恐らく、私が出て行ってくれて清々してるんだと思う。
「七乃、どうした?ボーっとしちゃって」
「ううん。何でもないよ」
「そっか。ぼんやりする姿も可愛いなぁ……」
「……っ」
ご飯を食べる手を止めて、頬杖をついて彼は私の顔をマジマジと見つめてきた。