愛と哀
春田くんだって、きっと本当は悲しいよね……?
「ありがとう。七乃」
彼の温かい手が、私の手に触れた。
「やっぱキミは優しい。ありがとう、七乃は俺の大切なプリンセスだよ」
「……っ」
「それに今はもう寂しくないよ。だって七乃がそばにいるから」
その言葉に、妙に温かさと心地良さを感じてしまった。
単に嬉しかった。
こんなダメな私を必要としてくれてるみたいで……。
「春田くん……私の方こそ、ありがとう」
私は思った。
これからもこの人を大切にしたい。
大切にしよう、と心から……。