愛と哀
背後から声がして慌てて振り向くと、バスタオルを首からぶら下げた春田くんがいた。
「春田くん、いつの間に……」
「ついさっき。風呂から上がったから、一緒にアイスでも食べようかなって」
「そっか」
お風呂上りだから、春田くんの髪の毛は濡れてて、少々火照った肌。
……色っぽい。
「どうした?ボーっとしちゃって」
「う、ううん!!何でもないよ」
私ったら、見惚れてた。
だって春田くん、ただでさえカッコイイから……余計に色気が増してる。
「ところで、こんなトコにいたら風邪引くよ?」
「春田くん、今夜は星が綺麗だよ。見て」
私が空を指さすと、春田くんは「本当だ」と言って微笑んだ。