愛と哀
「可愛い」
率直にそう思った。
春田くんでもこんな顔するんだ……。
「可愛い言うなって。仕方ないだろっ。七乃が俺を照れさせるんだから」
「そ、そうなの?」
「とにかく」
「ひゃあっ!!」
春田くんはヒョイッと軽々しく私の体を持ち上げた。
お姫様だっこだ……!!
やっぱ恥ずかしいっ。
「今日から俺と七乃は恋人っ!!カレカノだな」
「ちょっ!!」
あまりに大きな声で言うもんだから更に恥ずかしい。
絶対ご近所さんに聞えた……。