愛と哀
「七乃」
「ちょっと……」
彼は優しいが、困った一面もある。
休み時間。
次の授業の準備をしてたら、後ろから抱きしめられた。
ギュッと。
潰れそうなくらい強く。
「あのっ、春田くんっ……そこ胸っ」
おまけに彼の手が私の胸に思い切り当たってる。
「七乃に触れられなかったから、七乃不足なんだよ。補給させて」
「えっ……んっ」
教室にも関わらず、塞がれた唇。
こんなに堂々とキスするなんて。
すごい根性だ。
もちろん周りからは女の子達の「嫌ー!!」という声が飛び交う。