愛と哀




春田くんは少しずつだが、以前とは性格が変わっていった。



「七乃」


休み時間。
春田くんがトイレに行ってる間に私は先生に呼ばれて職員室に行ってた。


用件は進路の事。



先生と少し話をして教室に戻ったら何故か春田くんは腕を組んで怒った顔をしていた。



「どうしたの……?」


「どこ行ってたんだよ!!勝手にいなくなるなっ!!」


すごい剣幕で怒鳴る彼に怯んだ私は「ごめんなさい」としか言えなかった。



「俺、すぐ戻るから待っててって言ったよな?」


「でも、先生に呼ばれたから……」


「心配したんだからなっ!!黙っていなくなるなよっ!!」


大きな声で怒鳴るもんだから、教室中の視線がこっちに集まってる。



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