愛と哀
「ごめんなさい……」
大袈裟過ぎるよ。
いくら何でもこんな事で心配しなくても……。
周囲の視線が私達に集中する中で春田くんは私を抱き締めた。
「頼むから……いなくなるな」
「春田くん……?」
「七乃だけなんだよ……俺を心から愛してくれたのは。だから七乃だけは失いたくない……」
オーバーだ、と。
心の中で思ったが……。
「大丈夫だよ。いなくなったり、しないから……」
あまりにも悲しそうに言うもんだから胸が締め付けられた。
それに、私もだよ?
こんな私を愛してくれたのは春田くんだけ……。