愛と哀
家に帰ると春田くんはとても怖い顔をして玄関に立っていた。
「……どこ行ってた?」
「そこのコンビニまで……。シャーペンの芯がなくて」
持っていたコンビニの袋を見せた。
けど返ってきたのはため息。
「何で1人で勝手に外出するわけ?」
「春田くん……どこにいるか、わからなくて。家の中、すごく広いし」
すぐ近くだからいいや、と思った。
なんて事は口が裂けても言えない。
「……そう」
あっさりした返事をした後、春田くんは強引に私の腕を引っ張った。
「春田くん……痛いよ?」
と言ってもお構いなし。