君想い~密かに抱いた恋心~
「奈緒ちゃん!こっちだよ!」
「うぇ、緊張してきた…」
「頑張ろうね」
あたしに声をかけつつ、
さり気なく足を繋いでくれる優くんは
ほんとにジェントルマンだと思う。
「あ、前の走者きたよ。」
「う、うん」
ち、近い……
それに思ったよりも優くんの腕
たくましくて変に”男”を意識しちゃう…
「せーの」
コースはグランド半周。
優くんの掛け声でなんとか転ばずにすんだけど、
次の走者にバトンを渡した時に足がもつれて転んでしまった。
「きゃあ!!」
「わ!」