君想い~密かに抱いた恋心~
しばらくぼーっとしてると、
「……よぉ」
瞬が保健室に入ってきた。
「ど…うしたの瞬」
まともに話すのは久々で、
なんだかぎこちなくなっちゃうのは、
きっとあたしが緊張してるからで…
「べつに。お前が転んだって聞いたからバカにしに来た」
「な、にそれ。心配くらいしてよね」
ちょっと……今は会いたくなかったかも
「お前さ……優のこと「あたし、もう戻るね!」
瞬のことばを遮ってあたしは保健室をでた。
つもりだったのに…
「あ、おい!」
「いっ……」
急に視界がかわって、壁際に追い込まれた。
「…な…なに」
「お前…優のこと好きなの?」
「な、んでそうなんの。
瞬には関係ないでしょ」
「関係なくない」
「っ……」
あたしの手首を掴む瞬の手に力が
入ってギリギリと痛む。
振りほどこうとしても思った以上の
力でびくともしない。
「……お前わかってんの?
優はお前のことが好きなの。
なのにお前はそれを知ってか知らずか
こんなとこに2人きり。」
「なにいって…「だから!!」
いきなり怒鳴られて肩が震える。
「なにされるかわかんない状況だったってことだよ!!」