君想い~密かに抱いた恋心~
「なにそれ……
優くんはそんなことしないもん!」
怒鳴られたことに対して
あたしも自然と声が大きくなる。
「俺、前に言ったよな?隙があるって。
お前、女なんだぞ?
優だって男だし、その気になれば
お前なんかすぐに力で抑えられる。
今だってこんな簡単に捕まって。
いま俺が奈緒に何しても文句言えないんだぞ?
わかってんのかよ!?」
「そんなこと……」
瞬の力がさらに強まってもう逃げ場がない。
なんでいまこんな状況になっているのか、
なんで怒られてるのかもう訳がわからなくて泣きそうになる。
「……ごめん。やりすぎた」
「……」
「…………ごめん」
なんでそんな顔するの…
泣きたいのはこっちなのに…
瞬がなに考えてるか、全然わかんないよ……
力が緩まったのを感じて、
あたしはグランドに走った。