君想い~密かに抱いた恋心~
「…ちゃ……って……奈緒ちゃん待って!」
「……優くん」
「…大丈夫?」
「ゆ……う…くん……っ……」
なんで、なんでこうなっちゃったんだろう…
あたしは……ただ…
「びっくりしたよね。
あの美桜さんが声を荒らげるなんて」
「……あ…たしが……悪いの…
あたしが…」
「俺ね…知ってるんだ。全部。
なにに奈緒ちゃんが悩んでるのか
なんで瞬と話さなくなったのか」
「……」
「けどね同じように瞬も毎日毎日悩んで
大竹くん?と話すのを見る度つらそうにして」
あたしの背中をさすりながら、優くんは話を続けてくれた。
「瞬も奈緒ちゃんも素直じゃないから。
素直じゃないのに意地っ張りだから。」
俺はそんな奈緒ちゃんに惚れたんだけどね?
なんて笑いながら、さらっと告白された。
「奈緒ちゃん。逃げないで、
正面から瞬とぶつかってみて。
逃げてばかりじゃ、きっと答えは見つからないから。」
じゃあ俺さき行くけど、
落ち着いたら戻っておいで。
そう、声をかけて優くんは教室に戻っていった。