君想い~密かに抱いた恋心~
「ねぇ、瞬は?」
「さっき保健室いったっぽいよ」
「ありがとう!」
けして足が速い方ではない。
けど、全速力で保健室まで一直線に。
「瞬……!」
「奈緒…
お前、その膝どうした」
「あ…さっき転んじゃって」
「またか…
いま先生いないから座れよ」
「うん…」
いま、いまいわなきゃ、絶対に後悔する…
「あのね、瞬。
ずっと言わなきゃと思ってたことがあって」
「ん?」
「あの…ね、あたしこの間「俺さ」
「?」
「俺、すげー独占欲強くて嫉妬深くて
そのわりに素直じゃないから、
お前にあたって…
すんげー情けねーやつなの。」
「……うん」
「だけど、そんな情けねーやつだけど…」
ふと会話が途切れたから、
顔をあげて瞬を見ると見たことないくらい
真剣でまっすぐこっちを見てるから
なんだか目が離せない…
「俺、ずっと…」