君想い~密かに抱いた恋心~
「瞬!
今日暇か?」
帰り支度をしてる頃、
大竹が教室に入ってくる。
こいつとは、奈緒のことがきっかけで
仲良くなった。
今ではお互いの家を行き来する仲だ。
「おー、暇」
「街いかね?俺買い物してーの」
「仕方ねーな、行くか」
「あ、奈緒ちゃんは?」
「…なんか用事あるらしい」
「ふーん、珍しいのな」
「まぁな」
ちらっと奈緒に視線を送るものの、
また優と話しててまったくこっちに気づかない。
「またか……」
「なーおちゃん!」
俺の様子を見てた大竹が奈緒に話しかけに行く。
「あ、大竹くん!なんだか久々だね」
「だね。今日瞬かりてくけどいい?」
「うん、いいよ~!」
「そ、ありがと!
ってことで瞬いくぞ!」
「お、おう」
「2人ともまた明日ね」
奈緒は笑顔で手を振ってくる。
まじほんとかわいいな…
あれが俺の彼女なんて考えられねぇー
「ほんとかわいいよなぁ、奈緒ちゃん」
「?!
あ、あぁ」
びっくりした…
心読まれたかと思ったわ
「狙ってるやつ多いんだろうなぁ」
「………」
独り言のようにつぶやいた大竹の言葉が
なぜか ずしりと俺の心に響いた。