初恋も二度目なら
私は両目をつぶってヒクッとしゃくりあげながら、必死に泣き止もうとしていたとき。
不意にムスクの香りが、より強くなった。と思ったら・・・。

部長にキスされていた。

「んっ・・・!」

押しつけすぎない強さと、長峰さんの唇の感触が・・・懐かしい。

でも、ここ、会社・・・そうよっ!
もうすぐみんなが出社してくる!
キスに応えている場合じゃないでしょ、私っ!!

目を開けた私は、長峰部長の肩をを少し押すと、「ぶ、ちょ・・」と呟いた。
でも、言ってる途中で、部長はまたキスを再開しただけじゃなく、今度は舌を入れてきた。

「ん・・・!」

私は顔を横にずらして、部長の唇と舌から逃れた。
部長は、自分が今、どこにいるのかを把握したのか、今度はキスしてこなかった。

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