初恋も二度目なら
「その調子だ」と部長は言うと、意外にもニカッと笑った。

「はい？何が」
「おまえは嫌なことは嫌だと、俺にちゃんと言えた」と部長に言われた私はハッとした。

「これが・・・親友関係を築くってこと・・・」
「そうだ」
「なるほどー」
「おまえが嫌がるなら、今後ベロチューはしない。親友だからな」と部長は言いながら、まだ涙で濡れている私の頬を拭いてくれている。

「は？いやそうじゃなくて！キスも控えてくださいよ！」
「おかげで泣き止んだろ」
「・・・あ」

言われてみれば・・・ホントだ。
じゃあここは、部長に感謝をしなきゃいけないの？
でも・・・。

「ぶ、部長は・・もう一人の親友にもその・・キスをするんですか」
「しねえよ。てかできねえなー」
「え？どうして・・・あ」

まさか、もう亡くなっているお兄さんが「親友」とか・・・。
という私の思惑は外れた。

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