初恋も二度目なら
「はい」
「俺!ユキオ、開けて!」
「あ・・うん!」とユキオくんは言うと、玄関へ駆けて行った。

「どうしたの!?」
「土産にチョコ買ってきた。まだ生徒さんいるんだろ?」

という男性二人の話声が、私たちのところまで少し聞こえてきた。

「もしかして」
「ユキオくんのカレシ!?」
「うわぁ。私、見てみたい!」
「私も」

とみんな盛り上がっている最中、私一人だけは、なんとなく心にひっかかるものを感じていた。

この低い声、聞いたことあるような・・・。

と私が思っていたそのとき。
ユキオくんと、ユキオくんのカレが、私たちのところへ来て・・・。

私はわが目を疑った。

ユキオくんのカレは、制帽を脱ぐと、ゴロゴロいわせていたスーツケースの上に、ちょこんと置いた。
髪がいつもと違うオールバックになっているのは、帽子をかぶっていたから?
それを抜きにしても・・・パイロットとおぼしき制服を着ていても・・・この人は・・・。

「長峰、部長・・・?」

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