初恋も二度目なら
ユウリとユウキ
私はそれ以外の言葉を言えず、ただ茫然と「ユキオくんのカレ」を見ていた。

「は?」
「ちょっとユウくん!サヤコちゃんと知り合いだったの!?」
「ていうか、“部長さん”って・・・」
「でもパイロットに“部長”って役職あるの?」
「それより、サヤコちゃんはエアライン勤務じゃないでしょ」

「ユウくん」ってことは・・・この人、やっぱり長峰部長なの?
でもこの人は、本当に私のことを知らないみたいだ。
ということは、一時的な記憶喪失に陥ってるの?
それとも、二重人格者?
それとも・・・私のことを知ってて、「ユキオくんのカレ」になりきってるの?

・・・いや、違う。
この人、長峰部長にそっくり、というより、部長そのものだけど・・・別人だ。

ユキオくんのカレ(このひと)は、部長じゃない。

そんな私の気持ちを後押しするかのように、ユキオくんのカレがニカッと笑った。

うわっ。この人の「ニカッ」顔まで部長そっくりだから、眩し加減もハンパない・・・!

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