初恋も二度目なら
みんなのスタイル
「じゃあみんなー、気をつけて帰るのよ」
「はぁい!」
「宿題も忘れずにすること」
「はーいっ!」

今週の宿題は、1週間の食費にいくらかかっているのかを書き出すこと。
調味料代や外食代も、今回は含むそうだ。

「小夜(さや)ちゃん」
「はい?」
「俺と会ったこと、悠里には内緒にしといて」
「え。どうして・・・」
「ちょっといいこと思いついたんだ」
「はぁ」

いいことって・・・。
つい不安気な顔で悠希さんを見ると、部長そっくりな顔が私を安心させるように、ニカッと微笑んだ。

うっ。眩しいっ・・!
部長でも弟さんでも、私はこの笑顔に弱かったりするのよね。

「悪巧みじゃない。これはみんなにとって、結果的に良いことになる。絶対。それに、悠里が小夜ちゃんに俺のことを言ってないってことは、あいつは小夜ちゃんに、俺のことを知られたくないのかもしれないだろ?」
「あ!なるほどー。そう考えることもできますね!さすが・・・悠希さん」
「・・・もしかして小夜ちゃんってニブい?てか俺、今ので確信した」
「うっ。それはさっき、みんなにも言われましたよ。部長からも・・・」
「まあまあ。サヤコちゃん、いじけないの。それがサヤコちゃんらしさであって、サヤコちゃんにとっては、長所でもあるんだから。ね?」
「ユキオくーん」

今のは褒められた・・・のよね、うん。

「というわけだ。6月に会うまで、あいつには黙っとけよ」
「そんなに長く!?ああはいっ、分かりましたっ!」

・・・そうだった。
悠希さんも、お兄さんである部長並みに強引だってこと、忘れてた・・・。

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