初恋も二度目なら
「緊張してるのか?」
「ん・・・ちょっと・・・」
「おまえは今日、絶対に相手を見つけなきゃいけない義務でもあるのか?」
「いいえっ!」
「だったら、今日がダメなら、来月のフリースタイルもあるんだ。もっとこの場を楽しめ」
「・・・そうですね。はいっ!」
「今日のおまえは裸眼な上に、長い髪までおろしてるからな。そこらへんに突っ立ってるだけで、おまえの目ヂカラに惹きつけられた野郎どもが声をかけてくるはずだ」
「いえ裸眼じゃなくて、コンタクトつけてますが・・・・・・そうです、か?」
「ああ。おまえの親友である、この俺が言ってるんだ。今日の小夜は普段以上にキレイだよ」
「ぶちょう・・・」

・・・不思議。
部長(このひと)にそう言われると、ホントにそうかも、と思えてくるし、根拠のない自信も湧いてきた。

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