初恋も二度目なら
コンプレックス
私が部長のところへ着いた途端、彼は話をしていた女性に「失礼」と言った。
「小夜(さや)。どうした」
「私・・・もう帰ります」
「そうか。じゃあ俺もここに用はないので失礼する。小夜、行くぞ」
「あぁはいっ?」
残念がってる「えーっ!?」「もう帰るんですかぁ?」という女性たちの声が、私たちの背後から聞こえてくる。
でも部長はそれらを丸無視して、前を見て歩き続けている。
「行くぞ」と言った部長から手を握られている私は、結局部長と一緒に歩くしかないわけで・・・。
「あの、ぶちょー」
「なんだ」
「部長はまだここにいてもいいんですよ?」
「おまえがここを出るなら、俺もここに用はないとさっき言っただろ。俺が言うことをちゃんと聞いてろ、どアホ」
「ちょ・・なんでそこで“どアホ”が出るの!?」
「なんとなくな」
「・・・それ、全然答えになってませんよ」
でもなぜか納得、みたいな・・・なんでだろう。
とにかく、そんなやりとりを部長としただけで、私の心に巣くっているモヤが、少し消えたような気がした。
「小夜(さや)。どうした」
「私・・・もう帰ります」
「そうか。じゃあ俺もここに用はないので失礼する。小夜、行くぞ」
「あぁはいっ?」
残念がってる「えーっ!?」「もう帰るんですかぁ?」という女性たちの声が、私たちの背後から聞こえてくる。
でも部長はそれらを丸無視して、前を見て歩き続けている。
「行くぞ」と言った部長から手を握られている私は、結局部長と一緒に歩くしかないわけで・・・。
「あの、ぶちょー」
「なんだ」
「部長はまだここにいてもいいんですよ?」
「おまえがここを出るなら、俺もここに用はないとさっき言っただろ。俺が言うことをちゃんと聞いてろ、どアホ」
「ちょ・・なんでそこで“どアホ”が出るの!?」
「なんとなくな」
「・・・それ、全然答えになってませんよ」
でもなぜか納得、みたいな・・・なんでだろう。
とにかく、そんなやりとりを部長としただけで、私の心に巣くっているモヤが、少し消えたような気がした。