初恋も二度目なら
「知ってる」
「はい?何が、でしょう」
「おまえの言う“アレ”の意味」
「ぶっ!ぶちょうっ!もう終わりにしてっ!!」
「へいへい。じゃー帰るか」
「あ・・・はい」
「おまえんちまで送る」
「え?でも部長のお宅はすぐそこでしょ?だから私一人で帰る・・・」
「送る」
「でも・・・」
「おまえのバッグは“俺が”持ってるってこと、忘れてんじゃねえよ、どアホ」
「ぐは・・・ぶちょぅ・・・」

斜め上から見下ろされている部長と、6センチどころか、30センチくらい身長差を感じるのは、やはり部長のカリスマ性が濃厚ゆえに、威厳も十分ってことで・・・。

つまり、最初から議論の余地なし、イコール、最初から私の負けってことね。

「大丈夫。おまえを襲ったりしないから」
「わっ、分かってま・・・」
「それより、俺がおまえに襲われるのを心配した方がいいよなー」
「ぶちょー」

私は、ニマニマ笑っている部長の手のひらで、コロコロと転がされているような気がする・・・。
それもまぁ・・・心地いい、かもしれない。

諦めの苦笑を浮かべた私は、大人しく部長について歩いた。

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