初恋も二度目なら
しかも、「ほう。“ユキオくん”ね」と言う部長は、なぜかユキオくんを睨んだまま。
そしてユキオくんは、部長の視線をモノともせずに、ニコニコしながら受け止めている。

なんか・・・水面下で火花散ってない?!

「え。ええ。それは・・・」と私が言ってる途中で、ユキオくんがニッコリ笑って「じゃあまた」と部長に言うと、スタスタと歩き出した。

そして、数歩歩いて立ち止まったユキオくんは、クルッ私の方をふり向くと、「行くよ、サーヤ!」と言った。

だからその言い方も、完璧男モード・・・じゃなくって!

私は「はいっ!」とユキオくんに返事をすると、部長に「じゃぁ」と言ってペコリと頭を下げ、ユキオくんの方へ駆けて行った。

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