初恋も二度目なら
「でもこいつが帰って来ても、なかなか予定が合わなくてさ。ってーのは、前会ったとき、小夜ちゃんにも言ったよな?」
「はい・・・あのぅ。部長にも関わることですが、非常にプライベートで不躾なことを聞いても、いいですか?」
「あ?何だ」と部長が、「いいよ」と悠希さんが言ったのは、ほぼ同時だった。

同じ声で言われた上に、カッコいい同じ顔が・・プラス、ユキオくんもだけど・・・私に注目して、かなり照れてしまう・・・。

「えっと・・先ほど悠希さんは、部長のことを、“唯一の家族”と言われてましたよね?」
「ああ。俺らの両親は、もう他界してる。後、俺らの上に兄貴が一人いたのは、悠里から聞いてる?」
「あ、はい。3つ上の、史也(ふみや)さんという・・・」
「そう。史也兄ちゃんは20年前にバイクの事故で亡くなった。んで、父さんが病死したのは16年前で、父さんが逝った1年半後、母さんも病死した」
「まぁ。そうだったんですか・・・。すみま・・」と私が言ってるのを遮るように、部長が「謝らなくていい」と言ってくれた。

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