初恋も二度目なら
「ユキオくんって、ホントお料理上手ですよねぇ・・・あ。私!」
「どしたの、サヤコちゃん」
「ロゼワインっていうのを飲んでみたいんですが・・・ありますでしょうか」
「あーごめん。今ないから・・これとこれを混ぜて飲んで」
「おいおい、マジかよ!?」
「えっ?ロゼワインって、バラの香りがするワインじゃないの!?私はてっきりそうだと思って・・・」

・・・またみんなにウケられた・・・。

「あぁホント、サヤコちゃんの発想って面白いわぁ。一緒にいて飽きないタイプよねぇ、ユウリくん?」
「まあな。世話は焼けるが、やりがいはある・・・小夜、グラス貸せ」
「え。どうして・・」
「俺が作ってやる。おまえは作り方知らないんだろ?」と部長に言われた私はハッとした。

そうよ!
私はまだ、ロゼの何たるかを知らない!
・・・少なくとも、バラの香りがするワインじゃない、ということだけは分かったけど。

なので私は「おねがいします」と言いながら、部長に空のグラスを渡した。

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