初恋も二度目なら
「あの頃、自分の意見はほとんど言わず、俺の言いなり状態なおまえのことを、負担に感じるようになってた。最初はそれも新鮮だとは思っていたが・・・まさかおまえ、それでダイエットしたのか?」
「えっ?いえその・・・」
「あぁ、さや・・・。俺は、“俺の”心身が重く感じるという意味で言ったんだ。“おまえの”じゃない」
「・・・・え」

なんか・・・それだけで、意味の取りようが違ってくるような・・・。

「太っていようが痩せていようが、おまえがキレイなことに変わりはない。だが痩せたことで、おまえが自分に自信を持てるようになったのなら、俺は嬉しい」
「部長・・・」
「昔のおまえもキレイだったが、今のおまえはよりキレイになった。痩せたからという理由だけじゃない。おまえが自分で自分の価値を見いだせるようになったからだ」と部長は言うと、ニカッと笑った。

部長の言葉と「ニカッ」は、今の私には涙が出そうなくらい、眩しく見える・・・。

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