初恋も二度目なら
「月曜の朝一で使うプレゼン資料だ。読んでくれ」
「読むって・・・」
「黙読でいい」
「分かってます!けど、印刷・・・」
「これでいけるかどうかも分からないのに、何十枚もプリントアウトするのは、紙がもったいないだろ。ほら、俺の席に座って読め」
「・・・はぃ。あのー、部長?」と言いながら、私は渋々席に座った。

「なんだ」
「なぜ私が、部長のプレゼン資料を読まないといけないんでしょうか」
「俺以外の誰かに、誤字脱字のチェックや文章表現がおかしくないかを確認してもらうだけだ」
「それでも、なんで私なんですか?」
「おまえ、英語得意なんだろ」
「いや、そんなことないですよ!」
「これくらいの資料は読めるだろ?」
「う・・・まぁ」
「おまえ程度の英語レベルでも理解できれば、分かりやすい資料ができてるということになる。そうだろ?」
「うーーーん・・・・・・もういいです」

私がチェックをするというのは、部長にとっては決定事項だから、ここで「なぜ」の議論を繰り広げてもしょうがない。
だったら、早くチェックを済ませて、サッサと終わらせよう。

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