初恋も二度目なら
・・・あぁ、思ったとおり。
一番端の席に座らされた私は、他のみなさんがそれぞれ盛り上がっているのを傍観者のように眺めながら、時々焼き鳥を食べていた。

「あ、これ美味しい」
「照り焼き?」
「え?あ・・・はい。食べますか?」
「じゃあ、一つ」
「はい、どうぞ」

いつの間にか、私の前に座っていた男性が変わっていた。

「盛り上がってるなー」と他人事のように言うその人は、もしかして、私同様、人数合わせのために、強引に(私は違うけど)連れて来られたのかしら。

「そうですね。なんかみなさん、若さに弾けてるって言うか・・」と私が言うと、その人はプッと笑いながらも、「同感」と言ってくれた。

「あ。俺、山中って言います」
「卜部です」
「卜部さん、ね。君は他の子たちと違って、ムダにはしゃぐことなく、マイペースで落ち着いてるよね。俺、そういう女性がタイプなんだー」
「えっ!?あぁ・・・。それは私が、女子の中で一番年長で、一人で平均年齢上げてるからだと・・・」
「卜部さん、年いくつ?って聞いてもいい?もう聞いたけど」
「あ、そうですね。ハハッ。別に構いませんよ。私、32です」
「そう。誕生日は?」
「実はあんまり言いたくないんですけど・・・1月1日、です」
「へぇ。元旦かぁ。めでたいね」

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