初恋も二度目なら
・・・あれ?

数メートル先に、人だかりができていた。
でも群がっているのは女性ばかり。
もしかして有名人?!のわけないか・・・。
でも今回の男性参加者の中で、人気ナンバーワンなのは間違いない。

「盛り上がってますね、あそこ」
「わっ!」
「あぁすみません!驚かせちゃって・・・」
「いえいえ」
「お詫びの印じゃないんですけど、これ」とその男性は言うと、私にシャンペンが入ったグラスを差し出した。

「まあ。わざわざすみません。だけど私、すきっ腹にアルコールは飲みたくないので・・・」
「じゃあ食べ物取ってきます!」
「あ・・・」

私が止める間もなく、その人は行ってしまって・・・。
でも、あっという間に戻ってくると、「どうぞ」と私に言いながら、カナッペが入ったお皿をくれた。

「どうもありがとうございます」
「いえっ。あの・・・森下です」
「あぁっと、卜部と申します」
「卜部さんですか。どうぞよろしくおねがいします」

え?何が?
と思いながら、頭を下げてる森下さんに倣って、私も「こちらこそ」と言いながら、頭を下げた。

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