初恋も二度目なら
「あぁよかった・・・小夜(さや)」
「はい?」
「もう婚活パーティーには行くな」
「な・・・そんなこと!嫌です!」
「だったら、今後は俺と一緒に婚活パーティーに行くと約束しろ」
「ええっ!?なんで・・・」
「おまえは何をしでかすか分からん上に、危な過ぎて見てられん」
「じゃあ見なきゃいいじゃな・・・」
「だから俺がおまえを見てなきゃいけねえんだよ、どアホ」
「なっ・・部長、またどアホって言った」
「クセなんだよ」と部長は言うと、クスッと笑った。

つられて私もクスッと笑って・・・その場は穏やかな空気に包まれた気がした。

「いいな?」
「う・・・・・・分かり、ました」
「よし。じゃー帰るぞ。ほら、歩けるか?」
「大丈夫です」
「おまえの家まで送る」
「いえそんな・・・」と言いかけた私を、部長がジロッと睨んだので、私は慌てて「でしたら、はい」と答えた。

・・・そうよね。
私には、何も言わずに逃げ出したという前科があるから・・・ここはおとなしく、部長に従っておこう。



< 67 / 256 >

この作品をシェア

pagetop