初恋も二度目なら
・・・川端くん、ちょっと呆れてなかったかな。
川端くんの言うことに、私は否定的というか・・断り気味なことばっかり言ってたから。
でも、明日のお出かけは、友だちと一緒に映画を観に行くってだけで、彼氏とデートじゃないんだし。
だから、午後3時半上映という、お昼も晩ごはんも一緒に食べるような時間帯じゃないところをすぐ選んだんだけど、川端くんもすぐ承諾してくれたし。

・・・そうよ。
川端くんは私に気があると部長は言ったけど、私たちは、映画が好きって共通点がある友人ってだけであって、流されておつき合いにまで発展するとか・・・。

私は「ないない」と呟きながら、椅子から立ち上がると、スマホを充電するため、手狭なリビングへと歩いて行った。

「川端くんは私の友だち。男女の親友関係が成り立つのなら、友情だって成り立つはずでしょう?部長」

上にある空気に向かって問いかけても、もちろん私以外に誰もいない部屋から、答えは返ってこなかった。
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