初恋も二度目なら
「まだこの余韻に浸っていたい」と言った川端くんに同意見だった私は、映画を観終えた後、すぐ帰らずに、ソラシネマのすぐ近くにある公園を、川端くんと一緒に歩いていた。

「面白かったなー」
「ほんとっ!二人のすれ違いがちょっと切なかったけど」
「それが互いの“マイ・ミステーク”」

と川端くんが、主演のジェラルド・ハモンド(と、ヒロインのフェリシティ・モーガンも時折)が言ったセリフを、彼が演じたカーライル(役名)風に真似て(日本語で)言ったのがおかしくて、私はクスッと笑った。

「今の、カーライルに似てた」
「いや、一応似せたから。でもよかった。引かれなくて」
「引かないよ?でも、ジュディ(フェリシティの役名)っぽく言ってたら、引いてたかも」と私が言うと、川端くんはアハハと笑った。

「あーでもマジ面白かった」
「そうだよね!川端くんもラブコメ好き?」
「映画でもドラマでも、“マイミス”みたいにスカッと笑えるやつだったら。でもブラックユーモアは好きじゃない」
「そうだね。私も」
「後はやっぱアクションものだな。カンフーアクションも好きだが、007みたいなスパイものもいい」
「なるほど。私もそういうアクションもの、好き」と私が言ったとき、ちょうど斜め前にアイスの出店が見えた。


< 93 / 256 >

この作品をシェア

pagetop