初恋も二度目なら
メガネか、コンタクトか
「ねえ、川端くん」
「はい?」
「例の件なんですけど・・・」と私が切り出すと、川端くんは周囲をキョロキョロ見渡して、私に顔を近づけた。

そして「ここじゃダメだ」と、小声で囁いた。

「でも・・」
「電話する」と川端くんは囁いた後、顔を離して「じゃーおつかれ、卜部ちゃん!」と普段どおりの口調で言うと、爽やかに給湯室から退場した。

うーん。どうしよう・・・。
“グリーク”も観たい映画の一つだし。
川端くんがチケット代出してくれるって言ってるし。
・・・ということは、別に断る理由なんてないじゃない。

それで胸のモヤモヤが少しだけ晴れた気がした私は、残りのモヤモヤは、もう気にしないことにした。

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