黒い羽と嘘と執着

え、そんな、みんなに嘘つくなんて



「そんなので「出来ないとは言わせないよ、これが上手くいかないと誰かが怪我をすることになる」



翼の声色からは冗談を言っているようには聞こえなくて



そして私は、何も言えずに大人しく翼のされるがままになった




不自由な暗闇の中で翼が去る足音と少ししてから複数人の足音が近づいてきて



「椿!」と燿の声がして次の瞬間目の前が明るくなった



眩しくて瞬きしながら見えた光景は、



少し焦っている燿と心配そうにしている次朗君、少しほっとしたような顔をした庵といつも通りのノエル



皆の顔が見れたことで安心したのも束の間、私は胸の辺りに言いようもない苦しさを感じる




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