黒い羽と嘘と執着

何かあったのかな……



そう思って次朗君が出ていった方を見ていると、誰かの視線を感じた



その視線を確かめるように目を向けるとノエルがじっと私を見ていた



「……な、何?どうしたの?」



「んー、お姉さんちょっと来てくれる?」



いつもと同じ軽い口調だけど少し低めの声で言われたら逆らえなくはずなくて、黙ってついていく



皆と仲良くなれてきたと思っていても、ノエルはなんだか近寄りがたい



「お姉さん、ここ入って」



ノエルの後ろを歩いて連れてこさせられたのは普段誰も寄り付かない物置みたいになっている部屋






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