黒い羽と嘘と執着

「え、そうなんだ」



私が驚いていると燿は「ああ」と返事をしてそのままどこかにいってしまった



燿が出ていった方をじっと見つめ考える



………やっぱりこれ以上は踏み込むべきじゃないのかな？



燿だってずっと見てることしか出来なかったんだし私がどうにかできる問題じゃないことは分かってる



……でも、



それって燿が関わろうとしなかっただけじゃないの？



まあ、だからって私が踏みこんでいい訳じゃないけどさ



私は、次朗君の辛い顔を見るくらいなら、関わって嫌われた方がましだと思う



うん、きっと、そうしないと後悔する



「当たって砕けますか」



私は心が決まった途端、走り出していた