黒い羽と嘘と執着

「なんだい?」



暴力を受けている時俺が口を開くのは初めてで姐さんも思わず手を止める



「姐さんは、俺が嫌いですか?」



「当たり前「俺は姐さんのことが好きです」



「な、何言ってんだい」



姐さんは驚いたように俺から一歩引く



「俺は姐さん、貴女に何をされても、お母さんだと思っています
だから、俺のことが邪魔ならどうぞ殺してください」




俺の言葉に姐さんはビクリと肩を揺らす



「な、き、気でも狂ったのかい!?」



姐さんはひどく動揺したみたいで、俺に言葉を吐き捨てるように言うと慌てたように部屋から出ていった



俺は姐さんの出ていった方をずっと見つめていた





次朗side.end
< 86 / 105 >

この作品をシェア

pagetop