恋のお相手は小さな男の子



一人ガクッと肩を落とす私を哀れみの目を向けてくる佑真君。



「……葉月ってほんと馬鹿だな」


「なっ!どう意味よ!?」


「べっつにー」



スーっと私から逸らされる視線。


その仕草に小学生らしさなんて欠片もない。



「ほんと可愛くない!」


「どうも」



嫌味だって全く通じないのが悔しい。


「はぁ……」と漏れる溜め息。


それに反応したのか、


「葉月さ。何か悩みでもあんの?」


そう聞いてきた佑真君が、カシャンという音をさせて隣のブランコに腰を下ろした。



「な、何で?」


「葉月がこのブランコに座って下向いてる時は大概悩んでる時だから」



何それ。


私が悩んでたのなんてお見通しって事じゃん。


私より子供のくせに。


私より背だって小さいくせに。


私の事、……しっかり見てるなんて狡い。



「……うっさい」



ポツリと漏れたその言葉は酷く弱々しい。


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