恋のお相手は小さな男の子

「俺で良かったら聞くけど。話」


「佑真君に言っても……。小学生だし」



小学生の佑真君に将来の事とか、進路の事なんて言っても意味が分かるかどうか怪しい。


っていうのは建前で、本当は小学生に悩みを話すっていうのが恥ずかしい。


もう高校生なんだから…って佑真君に思われるのも嫌。


なんだけど、


「だから言えることってのもあるだろ」


大人びた口調でそう言う佑真君は、どこか落ち着く雰囲気を出していて。



「だから？」


「葉月の悩みに直接関わってないから言えるって事」


「ふーん。……確かに」



言ってる事は強ち間違ってなかったりする。



「で、何悩んでんだよ？」



私の視線は地面へ向けているのに、佑真君からの視線が横から突き刺さってるのを感じる。



もう、私には言わない選択肢は無いんだろうな。



「あー、……将来の事。これからの進路」



なんとか重い口を開いて言葉にするが、言葉にしたからか余計に気持ちが重くなる。