恋のお相手は小さな男の子
「佑真君はさ、将来の夢とかある?あっ、まだ小学生だしないか」
顔を上げて佑真君の方を向いてそう聞いたが、よく考えれば私の小学生の時の夢なんて、お姫様になりたい!とかだった気がする。
が、返ってきた答えは凄くハッキリしたもの。
「あるよ」
「あるの!?」
断言した佑真君の夢は何なんだろう。
「俺は弁護士になりたい。っていうか、なる!」
「弁護士!」
こりゃまたリアルな夢を言ってくる所が佑真君らしい。
しかも、佑真君は中学受験の為に塾に通う勉強熱心なタイプだから、更に弁護士っていう夢がリアルに聞こえる。
「おう!だから今勉強中」
そう言ってニカッと笑う佑真君は、もの凄く楽しそう。
私にはない夢を思い描いているのが羨ましい。
「何で弁護士なの?」
余りにも楽しそうな佑真君を見て、思わず聞いてしまったなりたい理由。
それにもさらっと佑真君は言葉を紡いでいく。