恋のお相手は小さな男の子
「色んな人の手助けをしたい…からかな。後、俺が理屈好きってのもあるかも」
「そ、…そっか」
聞かなきゃ良かった。
思わずそう思ってしまった。
小学生であっても夢があって、その理由までしっかりあるのに、私にはどっちもない。
もう、……高校生なのに。
「羨ましいかも」
ポツリと呟いたその言葉に「ん?」と佑真君が首を傾げた。
「そんなにハッキリとやりたい事を言えて」
それが凄く羨ましい。
なのに佑真君はケロッとした顔をして、
「葉月だってさっき言ってただろ」
なんて言ってくる。
「さっき?」
「こういうの作るの好きって」
そう言いながら見せられたのは、さっき佑真君へあげた手作りプレゼントだ。
「あー、言ってたね」
「だろ」
シシッと普段より年相応に笑う佑真君は得意満面。
でも、私の気持ちは『そっか!』と明るくならない。
確かに好きって言ってた。けど、そんな好きじゃ進路は分からないんだ。