恋のお相手は小さな男の子



「でも、美大に行ってもっと芸術を勉強したい!とも思ってないからなぁ……」



苦笑いを漏らす私に、再び佑真君が首を傾げた。



「作るからって必ず美大とか、芸術とかに進む必要はねぇだろ。だって、道は他にも色々あんじゃねぇか」


「他の……道?」



佑真君の言葉に今度は私が首を傾げる。



「あー、例えば歯科技工士とか、フィギュア造形とか、後はパティシエとか」



あっ……、本当だ。


佑真君の口から出た職業は必ずしも美大で芸術性を磨かなくてはいけないものじゃない。


粘土を使って作るのが好きだったから、方向が美大しか思い付かなかった。


けど、佑真君が言う通りかもしれない。



「そっか。……物を作るっていうのでも道は色々あるんだ」



私の口から出たのは、佑真君にというより自分に言う聞かせる様な呟き。


それを聞いてか、佑真君がスタッとブランコから立ち上がると、私の頭へとぽんっと手を乗せた。


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