恋のお相手は小さな男の子
「家帰って、もう1回調べてみろよ。やってみたいって思うもん見付かるかもしんないだろ?」
ブランコに座ったままの私が、立っている佑真君を見上げる形。
それが自棄に新鮮で、ドッドッドッと心臓が早鐘を打つ。
「……うん」
その言葉と共にこくんと頷くのが精一杯。
「どうせ、今まで何も調べてなかったんだろ?」
私の事なんてお見通しだという様な台詞。
それにさえドキドキが止まらない。
しかも、佑真君の予想通り何も調べてないわけで。
「う、うん。何で調べてないって分かったの?」
「何をしたいか分からない時は何も調べられない。けどさ、切っ掛けさえあれば道は結構見付かるもんなんだよ」
子供のくせに大人みたいな台詞。
でも、…………切っ掛け……か。
私の切っ掛けを作ってくれたのは、先生でも親でもなくて、年上の先輩でもない。
間違いなく佑真君なんだ。