恋のお相手は小さな男の子
「何か、……悔しいけど佑真君が凄いお兄さんに見える」
私の言葉に苦笑気味に「ほんとかよ」と言うと、耳を少しだけ赤く染めて顔を逸らす佑真君。
多分、照れてる…んだろうな。
でも、本気で冗談だと思われるのも嫌。
「本当だよ。だから、……話、聞いてくれてありがとう!」
真剣な目を向けそう言うと、佑真君はチラッとだけ私を見て、また目を逸らす。
そして、照れ隠しの様に頭をぽりぽりと掻きながらゆっくりと口を開いた。
「……俺でよければいつでも聞いてやるよ」
大人びた台詞。
なのに、その言葉にドクンッと心臓が音をたてる。
「うん!」と返事をする私は多分頬が緩みまくってると思う。
だって、……凄い嬉しかったんだもん。
嬉しさの余韻に浸りながらにこにこしていると、不意に佑真君の手がガシッと私の右手を掴まれた。
そしてグイッと私を引っ張る。
「じゃあ、行くぞ」
「何処に?」
私はというと、引っ張られた事でブランコから立ち上がったが、佑真君の意図が掴めずに首を傾げるだけ。