恋のお相手は小さな男の子
それに呆れた様に佑真君が溜め息を吐いた。
「帰るんだろ?」
「うん。そ…だけど……」
佑真君に手を掴まれたままなのは、……何で?
私の疑問が伝わったのか、伝わっていないのかは分からないが、
「送ってく」
そう言いながら佑真君が歩き出す。
男の人に送ってもらえるっていうのは結構ドキドキしたりするもの。
勿論、佑真君にやたらとドキドキする私の心臓はその言葉で一気に壊れそうな位まで早鐘を打っているんだけど。
でも…………。
「…………いやいやいや!それは駄目でしょうよ!」
小学生に送ってもらうのは、やっぱり無しだ!
なのに佑真君は不満そうに唇を尖らせる。
「まだ、少し明るいから大丈夫だっての」
佑真君の言う通り、まだ暗くなっていないから、小学生が一人で歩いていても大丈夫だとは思う。
けど、それなら送ってもらわなくても大丈夫という話なのだ。
「なら、私の方が大丈夫だし!」
私の突っ込みに、今度は不満そうな顔の眉間にグッと皺が寄ると共に歩を止める。